FPS・格ゲーで成功したmildomがLOLで失敗した理由
約2年ほど前に
mildomとは、中国のDouYu(闘魚・斗魚)が運営する、日本向けのゲーム中心の配信サイトである。
2019年9月にサービス開始し、時給500円(1日4時間まで)が話題となった。
その後、2020年には多くの配信者の引き抜きを行い、人気を確立した。引き抜かれたストリーマーは多岐にわたり、Twitch・Youtube・OPENrec、ジャンルもFPS、CS機、格ゲー、MOBA(LOL)にまで及んだ。
mildomの問題
Cygames-mildom (2020年3月13日)
元々Cygames(サイバーエージェントグループ)で、DeNAと資本提携している。
OPENRECの運営はCyberZで、サイバーエージェントノ100%出資子会社である。
OPENRECから生え抜きの人気配信者に対し、あからさまな引き抜きを行ったことにより、mildomとCyberAgentグループとの関係性が悪化。ミルダムでは、Cygames社のタイトルは配信できない。
奇しくもソシャゲでは「ウマ娘」が大ヒット。格ゲーでは「グランブルーファンタジーVS」、カードゲーム「Shadowverse」と引き抜いたストリーマーには、これらをコンテンツにしていた配信者も多く、配信者はプラットフォーム移籍したものの、やりたいゲームができない状態となってしまった。ニュースでも取り上げられ、大きく話題となった。
中国資本の後から許可とればいいだろって姿勢が見えた事件です。
任天堂-mildom (2020年8月3日)
任天堂は、以前から自社のゲームタイトルを使った配信・動画投稿を利用許諾契約制にしている。これは、子供向けゲームを組織的な金儲けにさせないための法的措置だが、ミルダムはこれを無視して配信者任せにした。
配信者が勝手にやってる事で私たちは知りませんってスタンス。これに任天堂は激怒し、mildomでは任天堂タイトルが配信できなくなった。
OPENRECやYoutubeの配信者は、スマブラ・スプラ・Pokémon・ポケモンユナイトなどのコンシューマー機メインの人も多く、またもmildomに移籍したが好きなゲーム配信ができない状態になった。
こういったことから、プロゲーミングチームも不信感から、契約解除などトラブルが連鎖した。
現状のmildom
FPSゲームと格闘ゲームで大きく人気を獲得した
その反面、LOLなど多くの配信者は1年契約が終わると古巣へ戻っていった。
当初、私はこの原因がシェア獲得だと考えていました。
今はちょっと違う考えでいます。
・LOLではLJL配信権を獲得も伸び悩む
・ValorantやApexでは人気のプラットフォームになった
・格ゲーでも人気のプラットフォームになった
FPSゲームでは、多くのプロチームをスポンサーし、ストリーマーの獲得に成功している。
ただし、PUBGなどの衰退期に入ったタイトルの配信者は、LOL同様に古巣Twitchに戻ってきている。
LOLの場合は、500人ー100人程度のTwitch公認配信者を引き抜いたが、LOL配信の王「スタンミジャパン」が獲得できなかった。
結果論だが、沢山の配信者を獲得したが、ほとんどの視聴者が誰でもいいから見ている状態だった。名指しで視聴者獲得できるかべおやレインブレイン、UGなど全員足しても、スタンミの固定リスナーの方が圧倒的に多かった(もともと視聴者数も違い過ぎる)
逆に、格ゲーではウメハラを獲得出来た
梅原大吾は特別待遇で、移籍後もTwitchで配信可能となる契約だった様だ。BeastTVなどのコンテンツだけはミルダムで行う契約がされていると言われている。しかし、いまではウメハラはほとんどMildomで配信している。100人前後の中規模配信者もこれに続いた。ウメハラがいる事が大きかったことを気付かされたのが、中規模でTwitchに残った配信者のリスナー数が激減しているからである。
あえて、Openrecから移籍したTOPANGAには触れなかった。TOPANGA陣営は、固定ファンが多いが、個々の配信者への影響力と言う点で、ウメハラと違いがあるため。
FPSゲームは、もともとDetonator陣営1強だったが、広く競技シーンを囲い込んだことと、CrazyRacoonとZetaDivisionを獲得できたのが大きかったと考えている。FPSは、タイトルのサイクルが早いことも追い風になっている。
まとめ
業界1位、その地位が他の追随を許さないほど差がある場合。1位の影響と言うのが計り知れないんだなと考えさせられました。
スタンミが1000人規模の配信者だったなら、何人か集まれば牙城を崩せただろう。しかし、他の配信者の10倍から50倍近い差を付ける状況で1位のスタンミを獲得できなかった時点で勝算の無い戦いだったのだろう。
mildomのLOL勢の失敗が無ければ、自分はシェアが重要って考えだった。今は影響力と言うものを見えるかすることがビジネスの成功においてとても重要だと考えています。
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